
寝具が人々の健康と安眠にとって重要な役割を果たすことは言うまでもありませんが、寝具の中心である布 団の特徴や機能についての知識を獲ることは、人生の3分の1を布団の中ですごす私たちにとって大事なことだと思います。
我が国のふとんの歴史は古く、いろいろと移り変わってきましたが、戦前から永く使われてきている木綿わた入りのふとんや、今から30年程前の合成繊維誕生と共に生まれた合繊わた入りのふとんに加えて、西欧で古い歴史を持つ「羽毛ふとん」が、「羊毛ふとん」と共に市場で人気を集めています。
以前は私たち日本人にとっては極めて高価でなかなか手に入りにくいものでしたが、最近では、為替レートの関係等でコストも下がり、買い易い価格になったのに加え、人々の生活水準も向上し、健康に対する関心も高まるにつれ、寝具としての高い機能を持つ羽毛ふとんの良さが一段と見直されるようになりました。
しかし、我が国では羽毛ふとんの歴史が浅いために、羽毛ふとんメーカーの商品研究と品質管理の向上が一層望まれると共に、消費者の方々にも羽毛ふとんについての正しい知識を得て頂くことが是非必要だと思います。
今後、これを機会に羽毛ふとんについて色々とご意見を頂ければありがたいと思います。

中央に少しカーブした羽軸を持ち、その両側に柔らかい羽枝があり、さらにその左右に小羽枝がついています。いわば鳥の上着にあたるものです。
ダウンと混合することで弾力性を発揮します。

羽軸を持たない羽毛で、ダウン、綿羽等と呼ばれます。小さな元羽軸とその先端部から派生した2本以上の羽枝からなる水鳥羽毛で、幹羽軸が明瞭でないもの。いわば、鳥の肌着にあたるものです。
鳥には、にわとりや七面鳥のような「陸鳥」と鵞鳥や鴨などの「水鳥」とがあります。
羽毛ふとんにはフェザーの内、主として小さなフェザーと、ダウンが使われますが、現在は、主にガンカモ科の家畜である鵞鳥(グース)と家鴨(ダック)羽毛が使われています。
尚、極地のみに生息するアイダー(Eider)※1という野生の鴨のダウンなど、稀少価値の羽毛も、特殊高級用品として僅かながら使われています。鵞鳥の原種はヨーロッパ原産のハイイロガン、南米原産のサカツラガンです。
ハイイロガン系の品種は主に欧米で、サカツラガン系の品種は主にアジア、アフリカで飼われています。
鵞鳥は美味な肉と肝臓(フォアグラ)を採るために飼育され、羽毛はどちらかといえば副産物です。
鴨、アヒルの原種はマガモです。ヨーロッパ、中国で古くから品種改良が進んだため、今日ではたくさんの
品種が有りますが、ほとんど食肉用と卵用に飼われます。ヨーロッパで代表的なのは大型のルーアンダックで中国、東南アジアではチャイニーズダック、北京ダックが代表的です。

アイダーダウンとは、アイダーダックの雌が卵をかえすために、自分の胸から抜き取って巣に敷き詰めた胸毛のことです。
毛綿鴨とも呼ばれる海洋性水鳥のアイダーダックには、キングアイダー、メガネアイダー、ステラーズアイダーなどの種類があります。
アイスランドやグリーンランドなどの北極圏の海岸線に生息し、厳しい寒さに耐えるため、全身を覆う羽毛は弾力があり、保温性にすぐれています。
アイダーダックの巣は5月中旬から6月にかけて、海岸の低地や岩場などに作られます。 卵からかえった雛鳥が巣立った後、巣を壊さないように、ピンセットを使ってアイダーダウンが採取されます。
一羽の水鳥から直接採取されるダウンの量が約60グラムなのに対し、巣から採取されるアイダーダウンの量は20グラムほどです。
アイダーダウンは長い羽枝を持つため、ダウンボールの一つ一つがよくからみあいます。この為手のひらに載せても全く重さを感じ無いほど 軽いのに、フィット性に富み、とても暖かいのが特徴です。他に並ぶものがない品質とその希少性から、アイダーダウンの布団には100万円以上するものも有り、羽毛ふとんの中でも最高級品とされています。